音声認識で有名なニュアンス・コミュニケーションズから分社化したセレンス社が、新しいユーザーインタフェース技術を発表した。
このインタフェースでは、音声だけでなく、「目線」を組み合わせることで、「あれ」とか「それ」という曖昧な言い方でも指示ができるという、オジサンにも優しいインターフェースだ。
そもそも、人間のコミュニケーションはメラビアンの法則によると、相手に与える影響のうち、音声認識で検出できる文章としての言語情報はたったの7%で、テンポや抑揚などの聴覚情報の占める割合は38%、表情、身振りなどの視覚情報が残り55%を占めると言われています。
目線から得られる情報も視覚情報のひとつであり、このニュースで紹介された技術は、僅かですが、人間のコミュニケーションにひとつだけ近づいたとも言えますね。
とは言っても、メラビアンの法則はあくまで、初対面の人とのコミュニケーションとの話で、さらに知り合いとのコミュニケーションでは、今までのやりとりから、相手の嗜好や癖、過去の話題なども情報として重要になってきます。
こちらに関しては、既に従来のカーナビでは”検索履歴”として対応していますが、このような自然会話形式のコミュニケーションでも活用され、自分だけにフィッティングした、より精度の高い情報伝達が可能になりそうですね。
そうなると、「この前、行ったあそこのイタリアンを目的地にセットして」と呼びかけると、カーナビが「先々週の木曜日に行った、青山の〇〇ですね。」とか答えてくれそうですね。
しかし、これを聞いた奥さんが「青山の〇〇に行ったのは去年の冬だったはず。誰と行ったの?」という修羅場になったりするかもしれませんが。
このあたりの忖度まで、カーナビができるようになるのは、さらに先の話でしょうね。