未来そうぞう日記

知的障害を持った息子と巡る日曜の東京、神奈川周辺の散歩、未来予想(妄想?)、そして気になる話題を報告します。

昔のサービス企画の失敗例を共有します

IT系のサービス企画や開発に携わっている皆さんの参考になればということで、昔のサービス企画の失敗例をお話しします。(若干脚色してますが)

 

その年の初め、経営上層部の号令で次の儲けの柱を見つけるべく、新しい法人向けITサービスを立ち上げることになり、私は途中から技術側のとりまとめ役に任命され、開発プロジェクトに参加することになりました。

 

そのとき5年先までの売り上げ計画表を見る機会があり、そこで担当外だったのですが営業費用の見積もりが2人で年50件を獲得する想定になっていました。しかし、現行同じ様な法人向けサービスでの実績はトップ営業マンが1年で5件の契約がやっと、そのレベルの営業担当を2名揃えて現実績の5倍の契約を取るという無謀な計画になっていました。

 

この時の企画担当は以前の部署の後輩で、この事実を軽い感じで確認すると「そうなんですよねー。俺もヤバイと思っているけど上司が。。。」

どうやら経緯はこんな感じ。

企画グループのマネージャー(課長)が上層部からこれくらいの売り上げが出るような新しいサービスの企画を出せと言われて検討。しかし、企画グループとは名ばかりで既存サービスの小規模なアップデートや不具合改修の計画くらしかやったことなにメンバーだったのでこれが初めての大きな企画仕事。

サービスアイデアがまとまった時点で技術関係者と話し合って初期開発費と運用費の概算見積もりが出た時点で事業予算計画を作成。しかし、企画審議で営業費用が丸々落ちていることを上層部が指摘。急遽別サービスの法人営業グループで来年手が空きそうなメンバーが2名いるということで営業規模は考慮せず、その二人の人件費を予算に追加して企画書を通したとのこと。

そしてマネージャから彼に企画担当が変わり、営業の件をマネージャーに聞いたが、「これを修正して企画の再審議なんかできるわけないだろう」と一喝されて終了というオチでした。

 

いやー、完全な貧乏くじですね。。。

 

その後、若干予算オーバーしたがなんとか予定日までに企画通りのものを開発してリリース。しかし、当然ながら売り上げは芳しくなく、会社の方針転換もあり、早々に撤退となりました。

 

イデアがあまり良くなかったというのもあるとは思いますが、法人向けサービスはSalesforceサイボウズのような何万件という契約規模で大々的にテレビやネットのCMで知名度を上げるサービスとは違って、担当による地道な営業活動によって売り上げを積んでいくサービスで企画時点で営業費用を適切に見積もらなかったのは致命的です。

 

とはいうものの、この例以外にも良いモノさえ作れば売れるというサービス企画担当は多いようで、営業や広報コストを無視して技術的な開発費や運用費だけしか見積もっていけると考える人は結構いるみたいですね。

 

確かに10人見て9人があっと驚くような良いアイデアならばともかく、そうではない普通の良いアイデアのサービスならば地道な営業活動で売っていくことを忘れないでください。

f:id:dad_aslan:20211014220206j:plain