以前、書いた架空の物語「ツノアリ、ツノナシ、レガシィ」の最終回です。
西暦23xx年、人類はツノアリ、ツノナシ、レガシィの3つのアトリ(タイプ)に分類された。
21世紀に発達したSNSはLGBTやその国で割合の少ない人種などマイナーな人々のコミュニティーの活動や発言の活性化に大いに貢献した。この結果、マイナーな人たちへの理解が深まり、差別をする空気に一石を投じることができた。
そして西暦23xx年の現在、各国とも差別を禁止する法律はできたが、マイノリティーを差別することを撲滅できたとはまだまだ言えなかった。一方、ツノアリ、ツノナシも差別の対象であったが、ごく一部の人たちを除いて差別する人はほとんどいなくなった。これは他の差別に比べたらかなり画期的な話であった。
その大きな理由のひとつはほぼ同率の割合で存在し、マイノリティーではなくなったことだろう。やはり人数が多いことで違いが「気にならなくなり」、いつのまにか差別しなくなったという流れのようだ。しかし、それ以上に両親のアトリに関係なく、どのアトリになるかはランダムだという要因が大きいのでは?というのが最近注目されている考えだ。
昔、自分と同じ肌で自分に近いの容姿ならば初めて会う人でも何か安心できるが、異なる場合漠然とした何らかの恐怖を感じ、やがてそれが差別を引き起こすという理論を唱えた人がいた。それは前述の21世紀以降のSNSなどの発達で自分と異なる人たちでも彼らの考え方を知り、自分たちと大して変わらないと気付き、やがて身近に感じるようになり、その恐怖をだいぶ解消したと言われている。
それでも頭では理解できてもマイナーな人たちに対し差別の心を持ってしまうのは、自分たちに近いDNAを残そうと生物としての本能が引き起こしているのでは?という学説が提唱されたが、ツノアリ、ツノナシの発現はこれを肯定する事象となったわけだ。
そしてこの事象は、人種差別やLGBT差別は生物として刻まれている本能を理性で抑えないと解決できない問題だということを再確認することにもなった。
自分も頭ではわかっていても肌の色が違う人に警戒してしまうことに罪を感じていたが、このことを知ってちょっとだけ気が軽くなった。
2200年代に登場したツノアリ、ツノナシは少しだけ人類を進化させたのかもしれませんね。
(Picture By Pixabay)
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学びたいというより、調べてみたいのが障害者の後見人制度ですね。奥さんにちょっと調べってもらったことを共有したのですが、なんかやたらお金がかかる制度のようで。。。成人する前にちゃんと調べなくては。