御茶ノ水散歩の続き。
前回の記事で紹介した山の上ホテル。締め切り前の文豪が缶詰めになったのはこの近くには出版社が多く、このホテルは位置的にちょうど良かったんでしょうね。
明大通りの脇道を入った所にあるのは白水社。
靖国通りに出て西に進むと千代田通りと交差する駿河台交差点へ。そして、交差点のそばにあるこのビルは辞書出版で有名な三省堂の書店。元々明治時代に創業した古書店で、最初のころから辞書、事典、教科書などを出版していたそうです。
ここを初めて訪ねたのは大学生の時。大きな書店としては8階建ての新宿の紀伊國屋書店を以前から知っていたが、当時専攻していたニューラルネットワーク(AI)の専門書の品揃えは三省堂の方が多く、すごく興奮したのを憶えています。地元では大きな書店で3、4種類、紀伊國屋で10数種類に対し、この三省堂では20種類以上ありました。
30年以上前でネットショッピングはおろか、インターネットもまだ普及してなかったころで研究で頼れるのは紙の専門書か論文集しかなく、通販で中身を見ずに2,000円を超える書籍を4、5冊買う賭けよりか、電車代を使ってでも自分の目で確かめて厳選した2、3冊買いたかったので、この店は正に「神」でしたね。
ちなみに今、この建物は建て替え中。今年3月に閉店し、復活は2025年だそうです。
靖国通りをさらに西に進むと白山通りとの大きな交差点があります。この南西角地のビルには岩波ホールと呼ばれる渋い作品を流すミニシアターがありましたが、先月7月に閉館となりました。
この北東角地にはこの有名なネオン看板。
そう、この南には集英社の本社ビルがあります。さらにこの先には小学館、裏には岩波書店があります。正に出版社の街ですね。
そして、この交差点には都営新宿線、三田線、東京メトロ半蔵門線が乗り入れる地下鉄神保町駅の入口が。ここは古書でも有名な神保町エリアでもあります。
先ほどの駿河台交差点からこの神保町交差点周辺の靖国通りは小さな老舗古書店が多数あります。
こちらの神田古書センターのビルには小さな古書店が多数入っています。
この令和時代、古書店は某メガチェーンを除き、見かけなくなりましたが、店の外にまで展示するこの形の店を見ると、なんかウキウキしますね。
そして、鉄道ジャーナルというマイナージャンルの古書も品揃えがあるだけでなく、1冊200円からと激安。息子にねだられ2冊購入しました。
こんな売り方をしているのも神保町ならではかと。
また、古書以外にも趣味系に強い(同人誌の扱いも多い)書泉グランデのビルもあります。かなり偏った品揃えの書店のビルというのは本当、東京は凄い所ですね。
どこに行ってもチェーン店が目立つ昨今、こんなちょっと個性のある店が残っているのは嬉しいですね。
(つづく)