未来そうぞう日記

知的障害を持った息子と巡る日曜の東京、神奈川周辺の散歩、未来予想(妄想?)、そして気になる話題を報告します。

(未来予想)国家資格「看取士」

2028年の妄想ブログ:

「看取士」が正式に国家資格となって1年が経ち、すっかり、この制度も定着したというニュース記事があった。

「看取士(みとりし)」とは、亡くなった後のご遺体引取りから、火葬、遺産相続の手続き、住居片づけ、お墓への納骨等の様々な人生のクロージング業務を取り仕切る国家資格を持った人のことだ。

ここ十年、家族に看取られずに亡くなる人が多くなり、このような民間サービスが急増したが、遺骨が不法投棄されたり、料金が法外だったりと、いろいろトラブルが発生し、一時期、連日ニュースで報道されていた。なにせ、依頼した本人が亡くなっているだけに当初はなかなか表面化しなかったが、東京駅コインロッカーの大量不法投棄事件を皮切りに、週刊誌のスクープ合戦が始まり、ようやく問題が世間一般に知られるようになった。その状況を受け、選挙前の議員さんたちが立ち上がり、約1年で整備されたのが、この看取士制度だ。

基本、看取士が全ての業務を実行するいうより、数人のスタッフに、適切な指示を与える「仕切り」がメインの業務だ。死亡届、賃貸解約、遺産相続などの手続きの知識から、仮想通貨口座の解約、PC廃棄、故人のブログでのお知らせなどIT系のクロージング知識も必要であり、資格合格率は7%と、まだ受験ノウハウが無いとはいえ、司法試験よりも難しいとされている。また、ときには故人とトラブルがあった人たちとの対応もあり、そのような対応に慣れている弁護士や行政書士資格を持っている人が転職するケースも多いとのことだ。

また、看取士の業務としては、契約者が亡くなってから仕事が範囲となるが、その名の通り、契約者を看取る人が多いようだ。契約にあたり、いろんな話を聞くうちに、本当の家族のようにつきあう人たちもいるそうだ。しかし、業務の性質上、契約者から規定以上の謝礼金は禁止されていて、看取士が遺産相続先となることも、もちろんできないことになっている。(全ての経費などの収支は役所に申請する必要があるので、故人がいなくても一応明朗会計になっている。)

なお、もともとは、独身向けサービスの色合いが強かったが、家族がいても信用できないとか、また子供や孫たちを煩わせたくないという理由で、このサービスを利用する人もかなり多いらしい。もしくは、昔の恥ずかしいコレクションが見られたくない理由なのかも?