2021年の妄想ブログ:
昔のアニメで、王様は下々の人間と直接話さず、付き人にボソボソと話したあと、付き人が大きな声で彼らと話すというシーンがときどきあった。このとき、王様は適当なことを言っても、付き人がもっともらしい文章に翻訳してたんじゃないかなと、いつも思っていた。
ところで、最近話題になることがほとんど無いPCアプリ業界で、大ヒットしているアプリがあるとニュースになっていた。このアプリは、ボソボソとマイクに向かって話すと、王様の付き人のように代わりに、ビジネス的に適切な文章に翻訳して、スピーカーから発声するというものだ。
例えば、「12月納期っー! 今いつだと思っているんだ。無理に決まっているだろ、無理!」というのを「12月納期をご希望されていますが、すぐに着手しても、年末でもありますし、実質2ヶ月しかないので、ちょっと厳しいかと思われます。」と翻訳してくれます。
実はこのアプリ、3年前に登場したときは、文字で入力した適当な口語調のテキストを、ビジネス敬語のテキストに翻訳するだけのアプリでしたが、そのうち、翻訳AIの能力が上がり、さらに音声入力に対応。そして、どうせならということで音声出力にも対応。これが意外と受けて、大ヒットしたということ。
最初は本人がいるのにPCが話すのは不自然ということで、音声出力を使うのをためらう人が多かったが、電話やTV会議ならば不自然ではないということで、徐々に利用者が増え、そのうち、対面会議でも使われるようになったそうだ。
このアプリ、表情さえ、にこやかならば、どんな罵詈雑言でもOKという、とんでもないものではある。一部の人たちは、これだと本音がわからないと、このアプリを禁止したら、発言数が減り、返って何を考えているか分からないということで、再び解禁したそうだ。
なお、TV会議では罵声を飛ばしていると、音声は無くても口元の動きが不快に感じるかもしれないので、マスクをするのがエチケットだとか。