未来そうぞう日記

知的障害を持った息子と巡る日曜の東京、神奈川周辺の散歩、未来予想(妄想?)、そして気になる話題を報告します。

(未来予想)日本GO塾

2020年の妄想ブログ:

10数年前、海外部門で6年ほど仕事をした。英語が全然できないのに、その部門に異動になったのは物怖じしない性格だけで判断されたようだ。実際、海外のパートナー会社や顧客の人たちと交渉や調整する時に、自分の意見を臆せず発するという姿勢のほうが、英語スキルより重要だったようだ。

もちろん英語は使えないより、使えるほうが良いが、周りの英語の得意な人に通訳フォローしてもらったり、図や絵を描いて説明することで、何とかコミュニケーションは取れた。特にエンジニアとの会話だと、ホワイトボードで図を描いて、後で同僚に通訳してもらおうと思い、日本語だけで説明していると、絵と身振りを見ただけで"I see."とか"I got it."とか言われ、本当にわかったのかな?と思っていると、こちらの説明した課題に対する的確な回答が返ってくることが、たびたびあった。

また、意見が違って議論になることが、こちらとの調整のときもあったし、相手会社内のメンバー同士でもしばしばあった。そのとき、かなり強い口調でそれぞれの意見を説明することもあったが、打ち合わせが終わるとラグビーで言うノーサイド(試合が終わったら仲間)で、和気あいあいと会食することも良くあった。

そのころ仕事していたのは、欧州(ベルギー、オランダ、ドイツなど)、北米、中国などの人たちで、大陸育ちは、それぞれ違う人種、違う価値観を持っているのが当たり前の社会で育っていて、自分の意見をはっきり言うことが大事であるという教育を受けたのだろう。これは数年前流行った「忖度」や「KY」を重要視する日本とは対極的な考え方なんだろう。

ある意味、黒船来航、マッカーサー来日以降、平成の中ごろまでは、日本の会社社会は商社以外は一部の人たちを除き、一種の鎖国状態だったので、「忖度」や「KY」がコミュニケーションでは重要だったが、いわゆるIT革命による第三の黒船により、コミュニケーションにおいても「グローバル化」を進めようとなった。

しかし、このグローバル化も最初のころは、社内用語や肩書きを英語表現に変えようという陳腐なものであったが、デジタルネイティブな世代が社会人になって、ビジネス系のSNSで個人の知っている情報や意見を、国内-国外、社内-社外にくくりに囚われず、収集、交換するような実績を生み出すような高いレベルのもも出てきた。

そして、小、中学生向けにグローバル化人材を育成するための塾「日本GO塾」が最近注目され始めた。このようなディスカッションを学ぶ塾はかなり前から存在したのだが、多くが英語でのディスカッションを前提としていた。しかし、この塾では日本語のディスカッションを学ぶのが大きな特徴だ。この塾の主催者によるとネイティブでない言語で議論しても、薄ペッらいものしかできない。普段から使っている日本語で議論したほうが身のある議論ができるはずだという考えだ。

また、もうひとつの特徴はひとつのディスカッションを行うために1ヶ月間の準備期間を設けていることだ。これは自分の意見を主張することも大事だが、いったい自分はどんな意見を持っているかをちゃんと考え、整理し、理解することが重要で、このステップにより他の人の意見を理解する力も身に付くという考えに基づいているということだ。

この塾は東京、埼玉で4校開いているが、年内に千葉、神奈川にも拡大していきたいとのこと。塾の名前は微妙だが、ちょっと面白そうな塾がでてきましたね。