未来そうぞう日記

知的障害を持った息子と巡る日曜の東京、神奈川周辺の散歩、未来予想(妄想?)、そして気になる話題を報告します。

鉄塔と蛇と停電

以前、電力関係のシステム、数万ボルトを超える送電線系統の保守装置の仕事をしてました。
そんなことを思い出すニュースがあったのでブログ記事にしました。

送電線系統の障害は、そのほとんどが送電線部分ではなく、鉄塔で発生します。

具体的には、送電線と鉄塔の間はガイシ(碍子)と呼ばれるセラミックの器具で絶縁していますが、
それが壊れたりすると、電線に送られている電気が鉄塔を通じてドバーと地中に流れる、
いわゆる「漏電」になります。(当然、鉄塔は金属なので、電気が良く流れますね。)

そして、「漏電」を検知すると、これ以上電気が流れないように、その送電線への
電力供給を遮断します。
これにより、この送電線の先の住宅や工場は「停電」となります。

また、このガイシが壊れなくても、雷が鉄塔に落ちたときは瞬間的に漏電状態になります。
さらに、送電線と鉄塔の間に、電気を通す何らかの「導体」が挟まる(両者に接触した)場合も
漏電状態になります。
よくあるのは、カラスが鉄塔の上に巣を作り、その巣材の金属ハンガーが、鉄塔と送電線の
両方に接触するケースですね。
また、長い蛇が鉄塔と送電線の両方に接触するケースもあります。
これは送電線ではないですが、この停電は蛇が原因だったようです。

北杜など停電原因はヘビ(読売新聞ユース)

この「漏電」の障害が送電線で検知された場合、その現場の鉄塔に作業員が行って、
問題ないかを目視チェックします。
街中の送電線であれば、現場に向かうのは楽ですが、雷や鳥獣害が発生するのは
圧倒的に山岳地帯が多く、作業員の人は大変らしいです。
特に雷の時は、天候も荒れているのでさらにキツイそうです。

約20年前ですが、どのあたりで障害が発生したかを計算するプログラムを自分が書いていました。
作業員の話を聞いて、不具合を出さないようにがんばろうと奮起していましたね。
懐かしい思い出です。