以前勤めていた会社ですが、なかなか部下が育たず課長以上の管理職がフォローに入って業務を何とか回すということをしていました。その結果、管理職が忙しくなり、部下の指示に割ける時間がさらに短くなり、益々部下が育たないという悪循環を繰り返していて、隣で見ていて少々歯がゆく感じていました。
数年前に流行った「アドラー心理学」に基づく部下の育て方。
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まとめると、
- 「褒める」のではなく「勇気づける」
- 「叱る」のではなく「協力する」
- 「教えない」ことで「結末を体験させる」
だそうです。
個人的な経験を加味して言い換えると、適度な距離を置いて「任せる」ということでしょうか。
このうち、1,2は意識することでできるようになるのですが3は意外と難しいですね。
管理職の評価はその部や課に課せられている目標タスクを完遂できるかで決まります。そうなると、部下任せにしたとき、成功確率が見え、達成の見込みが立つタスクであれば良いのですが、そんなタスクは変化の激しい最近ではほとんどなかったりします。
そうなると、つい手を出したり、部下の先回りしてレールを引きたくなるのは当然です。自身のスキルは把握しているので達成見込みが立ちやすいわけですから。自分の評価を賭けて、部下に権限を渡すからやってみろというわけにはなりませんね。
なぜ、このような状況になりやすいかと考えてみると、その理由のひとつとして「年功序列精度」が上がってきます。
年功序列制度は評価が悪くなければ毎年賃金が上がることになります。別の見方をすると評価がマイナスにならないようにすることが重要になってきます。この減点法の考えでは冒険することは避けて安全な道を通ろうとするので、部下に仕事を任せるという賭けはしたくなくなるのは当たり前ですね。
これが加点法の評価であれば失敗しても余程の損失が発生しない限り評価現状維持=賃金現状維持で、成功すれば評価アップ=賃金アップとなるので安心してチャレンジができるというわけです。
実はこの考え方、前の会社でも前年から取り入れてはいたのですが、そうは言っても管理職に対しては現状からの売り上げダウンはNGという二枚舌評価だったので、結局何も変わらなかったですね。
そんなゆでガエル的な感じに嫌気がさして退職の道を選んだのですが、一緒に仕事をしたちは悪い人ではなかったので経営層の人たちは肝を据えて頑張って欲しいですね。
今週のお題「100万円あったら」
竹富島の「星のや」で家族3名6泊7日でしょうか?
白い砂浜をぼーっと眺めて、気が向いたら泳ぐ。
時計を気にしない、何もしない贅沢をしたい。