未来そうぞう日記

知的障害を持った息子と巡る日曜の東京、神奈川周辺の散歩、未来予想(妄想?)、そして気になる話題を報告します。

年功序列と45歳定年

最近話題になっていた45歳定年と、さらに少し前から話題になっている年功序列について語ってみます。

 

個人的には年功序列という考えは好きではないですがそのメリットを考えてみました。

 

よく言われているのは、未来に対し仕事の安定が保証され安心できること。

確かにこれは大きいですね。将来の収入が保証されているならばお金のかかる子育てを不安なくできますし、ローンを組んで家を買う決断もしやすくなります。

ただし、この理由であれば年功序列でなくても終身雇用でも問題ありません。

 

次にあるのは大声では言えないでしょうけど、会社にさえしがみついていれば成果がなくても給料が上がること。これは労働者側にとってのメリットですが、労働者全員が良いとは思っていません。頑張って着実に成果を上げている人や10年、20年先の企業そのもの存続が怪しい時代の若手にとっては、しがみついているだけの先輩社員は会社から早く消滅して欲しい存在であると考えると年功序列はデメリットでしかありません。

 

そして企業側のメリットですがよく言われているのは会社へのロイヤリティ(忠誠心)を高め、定着率を上げる点です。確かに定着率低下は人材集めや入社後の教育などの費用面の問題だけでなく、人員計画など組織運営へに大きな影響が生じるため、定着率を上げるというのは大きなメリットになります。

さらに企業側のメリットとしては評価が簡単であること。勤続年数と言う明確な数値を評価基準に使うと誰が行っても間違った判断にならないという点だ。ただし、これは企業に対して有用な人物である点は考慮されないので、こんな評価で昇進した管理職の割合が多くなった会社がどうなるかは誰でも察しがつきますね。

 

もちろん、実際は年功序列の考えだけで業務評価している企業は少ないのではという反論はあると思いますが、「彼は入社〇年だからそろそろ主任に」みたいな人事決定を口にしないけどやっている管理職や経営層はそれなりにいると思います。

 

確かに公平な評価というは難しいですから、思考停止でできる年功序列の評価は簡単で説得しやすく便利なんでしょうね。

 

と皮肉交じりで年功序列のメリットを挙げてみましたが、今の時代としてはやはりデメリットのほうが大きいですね。

 

年功序列といっても多くの企業は業務内容が変わらないのに給料を上げていくことはせず、職責や等級を上げることで給料もアップする仕組みを採用しています。つまり、これは毎年管理職が増えていくことに繋がりますが、企業が10年、20年と長期にわたり右肩上がりに成長するのであれば組織も大きくなるので管理職が増えても問題ありません。しかし、人口も減少している今の世の中で、そんな長期成長を保証できる企業は皆無に等しいので、この年功序列のデメリットは非常に大きいかと思います。

 

現在、さすがに70歳定年で70歳に年収のピークとなる年功序列を採用している企業は少なく、55歳くらいがピークになるルールを採用していると思いますが、おそらく一番仕事で活躍できる35から45歳の間。普通に考えると年収と仕事の成果のピークが一致させるのが自然だと思います。しかし、実際は仕事のピーク過ぎた人の方を給料を高くするためにその人たちを高い管理職に上げ、ピークで頑張っている中堅世代を管理するという仕組みを取っているところが多いかと思います。

 

もちろん、ピークを過ぎた年齢の管理職には経験という財産がありますが、その経験故に最近の大きく変動する世界を直視できず不適切な判断をして、部門業績を下げたり、組織が不安定になるリスクが非常にあります。

 

そう考えると、年功序列がやめられないのならば、45歳定年(厳密には管理職としての定年)というのは良いソリューションのひとつなのかもしれませんね。

 

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