2023年の妄想ブログ:
2019年から20年にかけて、中高年を対象とした大企業の黒字リストラが話題になった。
その中で、よくわからない残業ゼロだけを目指す政府主導の「働き方改革」ではなく、個人ごとに異なる仕事に対する意識の違い(例えば給料を重視したいのか、生活を重視したいのか、やりがいを重視したいのか)や、また、一個人でも、長い人生の中で人生のステージごとに変わっていくスキルや労働に対する意識の変化に合わせ、仕事内容を変えていく「働き方改革」が注目されるようになった。
そんな時代の要望を受けて、最近、いくつかの大企業が始めたのが、年間契約サラリーマン制度だ。簡単に言えば、プロ野球選手の契約更改のサラリーマン版ですね。
具体的には、こんなルールで運用しているそうです。
1.年単位で会社側と契約更改
この年間契約サラリーマンは業務や労働条件を確認して、年単位(最長10年)で会社側と契約します。フリーランスに似ていますが、基本、サラリーマンですので、契約が切れたときに辞めてもらう場合は会社都合扱いで失業手当がでるので、安定性がちょっと高いです。
2. 契約交渉のエージェント参加
契約交渉というか、今までも年間の目標設定という形で、上司と面談して、1年間の業務の内容、計画、成果設定を行っている企業は多い。しかし、この制度での大きな違いは、第三者が労働者側に立って、その契約交渉、面談をサポートすることだ。プロスポーツ契約におけるエージェント=代理人制度だ。この代理人は会社内の人事部門の人に依頼することが多いが、外部に依頼することも可能だ。
3.仕事内容の選択の自由
サラリーマンと言えば、基本、上司からの命令で業務内容が決まるものだが、この制度では、今後予定されているプロジェクトや業務が公開されていて、そこから自由に選択することができるのだ。
選択では、今までの業務と同じものを選ぶこともできるが、新しい業務にチャレンジすることも当然できます。もちろん、本当に自由に選ぶためには、労働者側もスキルを磨き、実績を積む必要がありますが。
一方、この選択は業務の選択だけでなく、上司の選択とも言え、管理職側にとっても、その実力を問われる場になっています。昔のように上だけにゴマを摺るだけでは、出世は難しいということですね。
4.給料、給与体系、労働時間体系の条件交渉
以前から成果をコミットして交渉する年俸制はありましたが、ここでは金額だけでなく、給与体系、労働時間体系もここで調整します。残業料は固定なのか、どうかとか、通常勤務か、時短勤務か、はたまた労働時間を規定しない成果規定の勤務なのかなどを選び、調整することになります。
という感じで、そのとき、そのときの個人ニーズに合わせて、給料や残業時間などの働き方が選べると、正に仕事革命ですが、一応、ひとつの会社のサラリーマンなので会社都合で、全ての社員の希望が通るわけではありません。それでも7割くらいの希望は通るそうで、労働時間の希望だけで言えば95%はかなえてくれるそうです。それだけでも子育て世代はだいぶ助かりますね。
昨年のパイロット運用でのフィードバックが完了し、今年から本運用ということになりますが、良い成果が出て、他の会社でも採用されると良いですね。
(会社の犬は嫌だけど、犬が会社員なのはちょっと良いかも)