伊豆箱根鉄道駿豆線の伊豆長岡駅から徒歩30分、こちらは2015年世界遺産に登録された韮山反射炉です。
ここに初めて来たのは小学校3年生の遠足で40年以上前。その後も何回か来ましたが世界遺産になってからは初めてです。立派な駐車場とガイダンスセンターという建物が出来ていました。
昔は無料だったような気がしますが今は大人一人500円。さすが世界遺産ですね。
ガイダンスセンターで説明の簡単なシアターと関連展示物を見た後、丁度つつじが満開のアプローチを進みます。
訪ねたのは八十八夜の次の日の5月3日。新茶の季節ということで茶畑では茶摘みが行われていました。手摘みではなく機械摘みですが。
静岡県中部ではよく見かける光景ですが、東部・伊豆地方では珍しいですね。
こちらが反射炉です。反射炉とは鉄の純度を高める溶鉱炉ですね。
石炭などを燃料として発生させた熱や炎を炉内の天井で反射し、一点に集中させることにより、鋳物鉄を溶かすことが可能な千数百度の高温を実現する。このような、熱や炎を反射する仕組みから、反射炉と呼ばれたのである。
こちらが建てられたのは江戸時代末期の1857年。欧米列強に対抗すべく、大砲などに使う良質で大量の鉄を自前で得るために作られました。
昨年11月まで大改修が行われていて、随分綺麗になってました。昔はいつ崩れてもおかしくない状態で世界遺産にならなかったら、取り壊しされた可能性もありますね。
この時、ここの鉄で作られた大砲のレプリカが飾ってあります。
こちらは昔から変わってませんね。
昔、この太い大砲の穴にお尻を入れて怒られていた奴がいましたね。
この反射炉を作る計画を立てたのが銅像にもなっている江川太郎左衛門英龍です。韮山代官であった英龍は二宮尊徳(昔、小学校に像があった二宮金次郎です)を招聘して農地の改良などを行うなど領民に愛されたそうです。その後、海防に興味を持ち、西洋砲術を学んだ後、江川塾を江戸に開き、佐久間象山や桂小五郎などの幕末の志士が彼の教えを受けていたそうだ。そして、銃や大砲に必要な鉄のためにこの反射炉の建立に着手したというわけだ。
また、練兵も勉強していて、気をつけ、右向け右、回れ右等の掛け声は彼が考案したとか。さらに、兵糧としてパンを初めて導入にしたのも彼で、パン業界ではパン祖と呼ばれているそうです。ちなみにここのお土産の店にて当時のパンを再現したものが150円で購入できます。保存食用で固く、飲み物と一緒に食べるもの。すごく美味しいものではないですが、江戸時代のパンを食すという体験ということで。
なお、お土産の店の横を流れる川の上流に昔、流しそうめんの店「滝の園」があり、高校の部活の打ち上げで使った記憶がありますね。人生で初めての流しそうめんでした。
そして、韮山反射炉から西へ徒歩40分行ったところにあるのが願成就院。「鎌倉殿の13人」の一人である初代執権の北条時政が、表向きは娘の北条政子の婿である源頼朝の奥州平泉討伐の戦勝祈願のため建立したと言われているが、実質北条氏の氏寺として建てたという話だ。5/29の大河ドラマではここが登場してましたね。
ここには時政の墓があります。
また、ここには大河ドラマでも出てきた運慶作の阿弥陀如来坐像があります。
この寺は守山という標高100mほどの山の麓にありますが5月は緑が美しい季節ですね。この山を中心に北条家に関連する史跡がいくつかあるのでもう少し歩いてみます。
(つづく)