以前、書いた架空の物語「ツノアリ、ツノナシ、レガシィ」の続編です。
西暦23xx年、人類はツノアリ、ツノナシ、レガシィの3つのアトリ(タイプ)に分類された。
ツノアリは見た目がツノナシ、レガシィと違っていた。
しかし、ツノナシとレガシィについては見た目では区別はつかなかった。
頭部のCTやレントゲン写真で鬼骨の有無を確認しない限り、区別はつかない。
一方、ツノアリ、ツノナシはツノアリ、ツノナシの人体から発する僅かな匂いをかぎ分けることができた。その能力はツノアリ、ツノナシの約95%が有しているが5cmくらいに接近したときだけわかるレベルである。
また、その匂いの特徴は人によって意見が異なり、スギやヒノキの香りに似ているという人もいれば、柑橘系だという人もいる。そして、それを心地よいと感じる人もいれば、不快と感じる人もいる。
ただ、そもそも匂いの印象は子供のころの記憶に大きく左右されると言われている。そのため、鬼骨を持つ人が子供のころ鬼骨を持つ親に虐待を受けていた場合、その匂いを嗅ぐとトラウマを思い出す人もいるとか。21世紀にあったような満員電車に乗るようなことはないので、普段の生活で他人の匂いで困ることはないが(香水や柔軟剤の香りの問題は別で昔と変わらないが)、恋人や家族の距離感となると気になったりする。
トラウマを持っていないと思う人でも、生まれた子供がツノアリ、ツノナシだったことで、初めてトラウマに気付くというケースもあるとか。無意識で配偶者は匂いのしないレガシィを選んでも、子供は親のアトリの組み合わせに関係なくツノアリ、ツノナシが生まれることがあるので、その場合は悲劇でしかないですね。
そんなこともあり、50年近く、この匂いを消す研究が世界で行われているが、まだ解決されていない。いまだに最善の方法がマスクをするくらいしかないというのが24世紀の科学万能の時代でも何か皮肉的ですね。
なお、ツノらしきものがある見た目と匂いの差以外は、肉体的も知的にもアトリによる差異はないというのが現在の多くの科学者による一般見解だ。
それでも毎年、ノーベル賞やオスカー(アカデミー賞)受賞者が決まる都度、ツノアリばかり優遇されているとか、レガシィの受賞者が多いのではという議論が起きている。各先行者たちは実力で決めているのでアトリによる判断することはないと言うが、そもそも実力よりも国、宗教、人種などの政治力が働いている可能性が強いので。その要素にアトリが加わっただけなのだろうけど。
(Picture By Pixabay)
今週のお題「告白します」
数えてみたら、高校卒業後11回も引越ししてました。
大学の時だけでも最初の1回を含め4回引っ越してます。
最初に引っ越した下宿は食事付きでしたが、賄いのおばあさんが新興宗教系の人で2回目の引越し。3回目は学部移行で引越し。4回目は同じマンションでしたが日当たりの悪い2階の部屋から日当たりの良い4階の部屋へという感じでした。
引越しは面倒だけど、気分一新するので結構好きです。
今の自宅は引っ越してきて8年。高校卒業後では最長ですね。