先週アップした小説の作品解説(ネタバレあり)パート2です。
-前編- https://dad-aslan.hatenablog.com/entry/20220125
-後編- https://dad-aslan.hatenablog.com/entry/20220126
-解説1- https://dad-aslan.hatenablog.com/entry/20220201
今回、タイムマシンという現時点では非科学的な題材を扱っていますが、多少はツコッミが入らないように、いろいろ理屈を考えて文章の中に埋め込んでいきました。
例えば、アンドロイド出木杉君本人ではなく、子供型のアンドロイドを使った理由として重量制限があるというもっともらしい言い訳を追加しておきました。
それでも一番つこっまれそうなのは、のび太がスネ夫、ジャイアンにした話を、彼らから出木杉君が聞き出し、そして時間を遡りのび太に話すという鶏が先か卵が先かという感じのタイムパラドックスですね。
これについては突っ込まれることは言い訳することなく、開き直って受けることにしました。(別につるし上げされて炎上するような有名人ではないですが) とはいうものの、今回タイムマシンが出ていますが歴史を改変する、世界線を変えるという話ではありません。つまり、今自分たちが存在し、それまでに体験したことが変わらなければ、タイムマシンで時代を遡り何かをしても、しなくてもその影響を全く受けないパターンか、タイムマシンで時代を遡り何かをすることが歴史に組み込まれているパターンのいずれかになるかと考え、今回は後者の考えを採用しました。
カードキャプターさくらやXXXHOLiC等でお馴染みのCLAMPの言葉を借りるならばタイムマシンを発明することやアンドロイド出木杉君が子供型アンドロイドで過去に行くことは「偶然」ではなく「必然」という考えです。
また、今回扱ったもう一つのテーマについて言及します。
裏テーマとしてはアンドロイドの感情について。五十代のオジサンが子供のころ、アンドロイド(ロボット)は感情を持つのかというテーマが良く扱われていましたが、今回ここについても言及してみました。
先ず、感情を持つかという問いに対して自分の考えは「Yes」ですね。昭和時代は人工知能AIは例えばX=Aならば〇〇を実行するというようなロジカルなプログラム、感情的要素を除外した事実関係のロジックから構成されていました。だから、感情など持たないのは当たり前で、中にはわざわざ人間の感情を模した感情プログラムを実装させたりしていました。
一方、平成から令和の時代ではディープラーニングが主流になってきます。これらの違いは例えば、写真から豚か猪かを判定する場合、従来のロジカルなプログラムは色を抽出するプログラムを作り、白が豚、茶色が猪というようロジックで判定するのに対し、ディープラーニングは大量の写真を見せて、豚であるか、猪であるかの情報だけを教え、特徴はデータから自動的に学習するという方法となります。
別の見方をすれば、ディープラーニングのシステムでどのような基準で判定するかは学習データに依存してと言えるので、感情を持った人間がデータを作成して学習させる、または感情を持った人間の振る舞いの動画を学習データとして与えれば、その判定システムは結果的に感情を加味した回答を出すようになるというわけです。
今回の話ではアンドロイド出木杉君がのび太たちの思い出を羨ましく思い、共有したい、参加したいという気持ちや、この世にはもういない、自分の親でもあるのび太、しずかちゃんに会いたいという気持ちが彼の行動、決断の原動力に決断力になっていることを表現してみました。
(つづく)