世田谷区と杉並区との境界にある駅で、隣の千歳烏山や八幡山に比べてさらにマイナーな駅ですね。
訪問したのは2022年1月。駅から富士山が良く見えます。
駅から千歳通りを南下すると目に入るのが立派な門構えの屋敷があります。
これは旧家の史跡か何かかと思ったら
老人ホーム! 芦花翠風邸という施設です。元は旧久保邸だそうで、この裏にマンションみたいな老人ホームがあります。この辺りは高級住宅地なのでここもちょっと高級ホームだそうです。
こんな立派な蔵も残っていて老人ホームの一部とは思えませんね。
そして、その脇にあるのが世田谷文学館。
庭園と池。
泳いでいる鯉がちょっと高級そうです。
世田谷文学館でこのとき企画されていたのは漫画家の谷口ジロー展。
谷口さんで一番有名なのは「孤独のグルメ」
実写ドラマではシーズン10までやっていますが漫画の方は2巻、32話で終了。実は谷口さんは2017年に鬼籍に入っているですね。まぁ、原作担当の久住昌之さんも元気なので問題ないだろうが。
個人的に谷口さんの代表作は迫力ある自然の描画が特徴の「神々の山嶺」だと思うが、その迫力の根底にあるのが一つずつ描き込んでいくこの根気ですね。
世田谷文学館を出て5分くらい南下して右折するとガスタンクが見える。
高級住宅地エリアを抜けたらいきなり現れるガスタンクはちょっと違和感ありますね。
そしてこちらは明大八幡山グランド一帯の一部である公園に着きます。
元々は明治の文豪 徳冨蘆花の旧宅があった場所です。
こちらは徳冨蘆花の旧宅。
書斎と寝室であった秋水書院。この名前は思想家 幸徳秋水にちなんだもの。
この家の前には竹林や
雑木林が広がります。ここは蘆花恒春園と呼ばれています。
この旧家の中は見学できます。
家の中には明治、大正のころの生活用品が展示。こちらは洗濯板に多数の火鉢。
愛嬌のある「顔」感がある電話。
五右衛門風呂ですね。
下から熱するので、熱い底に直接触らないようにするための板が置いてあります。
40年以上前に栃木の親戚の上で入ったことありますが、今、五右衛門風呂を体験できるところはそう多くないですね。
こちらは窓枠などに使われる「鍵」 自分が小さい頃はありましたが、今ほとんど見ることはないですね。この取っ手を回すと鍵が締まりますが、今の人はイメージつきにくいでしょうね。
この旧家のそばにあるこちらの墓には徳富蘆花夫妻が眠っているそうです。
それにしてもいくら売れっ子の小説家だとしては現在の世田谷でここまでの広い敷地に住むのは無理ですが、当時はそれほど開発が進んでいない郊外エリアだったんでしょうね。
むしろ、逆で郊外エリアを文豪が住んでいた旧家を公園として整備し、駅名にすることで文化的イメージを高め、高級住宅地にしたというのが正解なんでしょうね。