今週のお題「サボる」
高校生(30年以上前)のころ、東京の神保町には「さぼうる」という喫茶店があるとテレビでやっていた。別にサボるための喫茶店ではないが、平日昼間から喫茶店にいることはサボリ以外の何ものでもないなと当時は思っていた。
この「さぼうる」という言葉はスペイン語の「味」という意味。「サボる」という日本語に音が似ているということで喫茶店の店名に使っていると推測されるが(元々フランス語のサボタージュから来ているので日本語じゃないが)、自分が通っていた大学の近くにも似たような名前の喫茶店があった。(確かこちらは「さぼおる」だったような)
この喫茶店は大学の入口まで徒歩1分かからないところにあった。しかし、大学入口から校舎に行くためには坂を上る必要があった。一番近い教養部の校舎へは定年坂と呼ばれる急坂があった。名前の由来はこの坂が上れなくなったらそろそろ定年というのが有力。それくらいきつい坂でした。学部によってはさらにここから別の坂を上る必要があり、噂によると一番上の校舎と定年坂の入り口で標高100m以上の差があるとか、ないとか。
このため、この店はその急坂に心折れたものが集う喫茶店であった。ちょっと薄暗く、涼しい店内に読み放題の漫画。若干、高めの値段だったので個人的には数回しか行きませんでしたが、好きな人は良く入り浸っていたようで。授業では見ないが同じクラスの〇〇君も常連でした。
そして、社会人になってから(25年前くらい)神保町の「さぼうる」に行きました。平日、サボリではなく適切に有給休暇をとっての訪問です。昼過ぎに行きましたが、周りのお客は60過ぎのリタイア組と自分と同じような観光客っぽいばかりで、スーツを着た営業マンはあまり見かけませんでした。
では、サボっているサラリーマンは喫茶店にいないのか? いや、いました。
駅前のル〇アールで発見しました。ゆったりとしたソファーに無料の新聞。
朝はリタイア組のおじいさんが多いのですが、昼2:00から4:00くらいは圧倒的にスーツ姿のサラリーマンが多かったです。
コーヒーは若干高いですけど、サボるには良いスペースだったんでしょうね。
ただ、それから10年、営業と一緒に回る仕事をすると複数のアポがあるとき、いちいちオフィスに戻っても移動に時間がかかり、仕事をするほどの時間も取れず、だったら喫茶店で休憩するというもベターだというのを理解しました。
一方、徐々にノートPC携行が標準に。オフィスに戻らなくても仕事ができるようになり、喫茶店でサボっているように見えるサラリーマンは徐々に減りましたね。もしかしたら、こっそりネットサーフィンしているかもしれませんが。。。
さらに最近はスマホをこまめにチェック。これは仕事なのかサボっているのわかりませんが、ちょっとせわしないですね。
喫茶店でのんびりサボる。ある意味、これは昭和の遺物なのかもしれませんね。
(中目黒のスターバックスロースタリー)