未来そうぞう日記

知的障害を持った息子と巡る日曜の東京、神奈川周辺の散歩、未来予想(妄想?)、そして気になる話題を報告します。

若いうちに辛い経験はした方が良いか、悪いか

大学生のころ、友人の家に集まっては翌朝までグダグダと駄弁(だべ)っている、良い表現に言い換えれば「語り合う」という青臭いことを良くしてた。その中で「好きな人に告白してフラれる経験は良いことか、悪いことか」という議論になった。

 

自分の意見は「良い」。というか当時読んでいた漫画やドラマは告白が成功しようが、失敗しようが最終的には良い経験になるという話が多かったためか、当然この結論しかないだろうと思っていた。しかし、友人の意見は「悪い」だった。

 

今ではどうして彼がその結論になったかは詳細は憶えていない。しかし、「つらい経験はしなくても良いならば、しない方が絶対良い」と強調していたのは憶えている。当時の自分にとってはインパクトのある言葉だった。

 

それから時々、この言葉を思い出しては告白してフラれることに限らず「若いうちにつらい経験をした方が良いか、悪いか」という命題について考えるけど、自分にとっての結論は昔から変わらず「良い」ですが、他人に勧めるという意味では毎度結論は出ないで終了してます。他の命題は50歳も過ぎるとマジョリティ(大勢の人)と違う意見だったとしても、他人に勧める意見として自分なりに納得いく回答が出てることが多いですが、これは今でも模索中のテーマですね。

 

先ず、辛い経験と言ってもレベルがあります。落第、浪人、失恋、失業、交通事故、犯罪被害、重篤な病気、両親の死、戦争と様々。そして、その経験が後の人生に良い影響となれば良いが、トラウマとまでいかなくてもそれが長年悪影響となるレベルは人によって違いますね。また、良い影響、悪い影響のどちらかではない、ゼロイチではなく、両方あるからこそ「若いうちにつらい経験をした方が良いか、悪いか」という命題への回答を難しくしていますね。

 

一方、自分の職場は皆30代以上なので生の声ではないが世の中のいろんな話を聞く限り、十代、二十代は若くても辛い経験はしない方が良いと思う人が大半のようです。そして、それはどんなに小さなものであってもツライことを強く避けたいと思っているようですが、流石にここまで行くとちょっと大丈夫かな若者という気持ちになりますね。

 

おそらく多くの若者は、映画「マトリックス」の有名な赤い薬と青い薬のどちらを選ぶかというシーンで、現実を直視して支配者に対し戦うことになる赤い薬よりも、現実は見ないことにして「緩やかな奴隷」として生きる青い薬を選ぶでしょうね。

 

確かにここ30年の戦っても逆転できないどころか、頑張っても中流の生活する厳しい大人だらけの日本の社会を見ているため、そんな風になってしまうのは理解できます。しかし、「緩やかな奴隷」が本当の奴隷になる社会が来そうな感じもあるのでその時に後悔しないように少しは思い切った選択もして欲しいですね。